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BILL EVANS & THE VANSBAND ALLSTARS / celebrating the 100 year anniversary of Miles Davis
artist BILL EVANS , TILL BRÖNNER
原田和典のBloggin' BLUE NOTE TOKYO
今年はジャズ・アイコン、マイルス・デイヴィスの生誕100年にあたります。ブルーノート東京では今年に入ってからすでに、元マイルス・バンドのロン・カーターやケニー・ギャレットがそれぞれのグループで登場していますが、月曜からバンドスタンドでプレイしているのは、サックス奏者ビル・エヴァンス率いる大好評プロジェクト"ヴァンスバンド・オールスターズ"です。
マイルスは1980年頃、シーンに復帰する決意を固め、元バンド・メンバーであるデイヴ・リーブマンに有能な若手がいないかと問い合わせます。リーブマンは即座にビルの名をあげ、ビルの演奏を聴いたマイルスは大いに満足しました。その後、紆余曲折を経てマイルス、ビル、マイク・スターン、マーカス・ミラー、アル・フォスター、ミノ・シネルによる通称"カムバック・バンド"がスタートするのですが、マイクとマーカスをマイルスに推薦したのはビルです。ビルとの出会いが、マイルスを一気にアクティヴにしたといっても過言ではないでしょう。
歳月を重ね、ビルは文字通りの"ザ・マスター"になりました。この日も、たくましいテナー・サックス、太く澄み切ったソプラノ・サックスの音色を存分に響かせ、満員のオーディエンスから盛大な拍手を引き出します。"ヴァンスバンド"は、彼が最高峰と認めたミュージシャンばかりで構成される一種のオールスター・ユニットですが、今回も充実そのものの顔ぶれであり、しかも全員が他のメンバーの音をよく聴いてヴィヴィッドに反応します。共演メンバーはトランペットのティル・ブレナー、ピアノとキーボードのラッセル・フェランテ、エレクトリック・ベースのジェームス・ジーナス、ドラムスのキース・カーロック。イエロージャケッツの創設メンバーであるラッセルの参加がいささか珍しいところですが、ビルは以前から彼のプレイや作曲に敬意を抱いてきたとのことです。初日ファースト・セットの前半は「Mica Moon」や「Grande」などビルのオリジナル曲が主体でしたが、後半ではラッセルが作曲した「Boomtown」や「Statue of Liberty」も演奏されました。イエロージャケッツのヴァージョンに親しんできた方であれば、"ビルやティルがフロントに立って演奏すると、こんなに色彩が変わるのか"と驚かれることでしょう。
演奏展開は基本的にはテーマ・メロディの後に管楽器や鍵盤楽器のアドリブがリレーされるという、モダン・ジャズ全盛時代からの伝統をも感じさせるものでしたが、再びテーマ・メロディが登場する前に、もう一つの主旋律というべきパートが挿入されるあたりも実に効果的でした。前回の公演ではスペシャル・ゲストとしてのビリングだったティルも今回は正式メンバーとして記され、しかもオープン・トランペット主体でこれでもかと吹きまくります(フリューゲルホーンやヴォーカルは無し)。輝かしい音色、一撃必殺で的を射るようなものすごいスピード感、音程の良さ、アドリブにおける尽きないアイデアと起承転結のうまさには聴きほれるばかりです。エヴァンスと掛け合いでアドリブを繰り広げていくシーンもありましたが、互いに反応しあいながらテンションをどんどん高めていくさまは、猛烈なジャズのスリルを感じさせてくれました。
オーラスではマイルスのレパートリーから「Milestones」が演奏されました。ビルがマイルス・バンドに在籍していた頃のレパートリーではありませんので、そういう意味でも貴重だったと思います。さあ、本日からの公演ではどんな熱演が繰り広げられるのか、耳と目を全集中してライヴをお楽しみください!
(原田 2026 2.17)
Photo by Great The Kabukicho
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【LIVE INFORMATION】
BILL EVANS & THE VANSBAND ALLSTARS
celebrating the 100 year anniversary of Miles Davis
2026 2.16 mon., 2.17 tue., 2.18 wed., 2.19 thu. ブルーノート東京

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